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2021年度春季大会(2021年7月11日(日)/オンライン開催)
【日時】 2021年7月11日(日) 9:30~18:00
【大会内容】 シンポジウム + 総会
【参加費】 無料(会員・非会員とも)
【大会テーマ】 新型コロナウイルス感染拡大下における食料・農業・農村問題
〔座 長〕冬木 勝仁(東北大学)、西川 邦夫(茨城大学)
2019年末から世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が,食料・農業・農村に与えた影響も徐々に明らかになりつつある。それとともに,研究者の間でも実態の把握と今後の展望を目的とした議論が行われ始めている。例えば,2021年3月に開催された日本農業経済学会大会シンポジウム「ポスト・コロナ社会の食料・農業・農村―持続可能な社会をデザインする―」では,食のあり方と都市農村関係を中心に,コロナ禍における新しい動向と社会のリデザインの方向性が議論された。
本シンポジウムの問題意識は,現在のコロナ禍で起こっていることは,資本主義による食料・農業・農村の再編の新しい段階への突入ではないかということである。ヒトの移動が制約される感染症流行下で,社会経済活動を維持するためにICT(情報通信技術)が生活の隅々まで浸透した。それは国境を超えた財とサービスの流通速度を飛躍的に高めるとともに,移動を排除する形で労働様式を大きく変容させた。食料・農業・農村に与えた影響として,例えば日本の2020年の農産物輸出額は前年比11.7%増加した(農林水産省「農林水産物輸出入情報」より)。また,食料消費における社会的分業を象徴する中食・外食の低迷は,業務用需要への対応を強めていた産地に負の影響を与えることが予想される。新しい蓄積様式の下で,食料・農業・農村はどの様に再編されていくのか。
以上の様な問題意識に基づき,本シンポジウムでは以下の3名の研究者に報告をお願いした。第1報告(友田滋夫氏)では,コロナ禍の核心である労働問題に関する報告を行う。コロナ禍において労働様式はどのように変わり,所得格差にどのような影響を与えたのか。第2報告(神代英昭氏)では,食料問題に関する報告を行う。コロナ禍は食料消費や中食・外食産業の構造にどの様な影響を与えたのか。第3報告(中尾誠二氏)では,都市農村問題に関する報告を行う。ヒトの移動を伴う観光需要が停滞する中で,グリーンツーリズムにはどの様な展望があるのか。
また本シンポジウムでは,上記3報告を補足する形で,安藤光義氏(農業への影響),鈴村源太郎氏(地域への影響)にコメントをお願いした。以上の3報告と2コメントとともに,大会参加者とコロナ禍が食料・農業・農村に及ぼす影響と展望について理解を深めたい。
<大会スケジュール>
◆大会シンポジウム〔9:30~17:00〕
◆総会〔17:00~18:00〕
Ⅰ.午前の部(9:30~12:00(会場開場9:00))
◆代表幹事挨拶〔9:30~9:40〕
◆シンポジウム(前半 9:40~12:00)
〔テーマ〕「新型コロナウイルス感染拡大下における食料・農業・農村問題」
〔座 長〕冬木 勝仁(東北大学)、西川 邦夫(茨城大学)
○座長解題〔9:40~10:00〕
○第1報告〔10:00~10:40〕 友田 滋夫(日本大学)「近年における世帯所得低迷とその背景」
○第2報告〔10:40~11:20〕 神代 英昭(宇都宮大学)「新型コロナウイルス感染拡大とフードシステム」
○第3報告〔11:20~12:00〕 中尾 誠二(福知山公立大学)「農山漁村の教育民泊受入組織におけるCOVID-19禍」
<昼食、質問受付>(60分)
Ⅱ.午後の部(13:00~18:00)
◆シンポジウム(後半 13:00~17:00)
○コメント①〔13:00~13:20〕 安藤 光義(東京大学) コロナショックの農業への影響
○コメント②〔13:20~13:40〕 鈴村 源太郎(東京農業大学) コロナショックの地域への影響
○第一報告リプライ〔13:40~13:55〕
○第二報告リプライ〔13:55~14:10〕
○第三報告リプライ〔14:10~14:25〕
<休憩、質問受付>(5分)
○総合討論 〔14:30~16:45〕
○座長総括 〔16:45~17:00〕
◆総会〔17:00~18:00〕